いせちゃんブログ
鵜方紅茶の風味ふんだんに/新作トリュフ登場
2022-09-20
20日、三重県のJA伊勢管内にある「ぱん屋ふじ田」で、同JAが産地復活に取り組む「鵜方紅茶」を使った「鵜方紅茶の生白トリュフチョコレート」が発売された。
「鵜方紅茶の生白トリュフチョコレート」は鵜方紅茶を生クリームで煮出し、ホワイトチョコやバターを混ぜ合わせたもの。口に入れた途端に香りと風味が広がり、「鵜方紅茶」を存分に楽しめる。価格は1箱5粒入りで税込み550円。
同店は、市の特産イチゴ「レッドパール」や三重県生まれのイチゴ「かおり野」、伊勢茶など地元食材を積極的に取り入れてきた。2021年には「鵜方紅茶あんぱん」も発売され、プレゼントやお土産として購入する人が訪れるなど、人気を集めた。
店主の藤田幸男さん(65)は「今までにもトリュフは販売しており、バージョンも増やしたいと思っていた。ホワイトチョコなら紅茶の香りものるだろうと思い、試作をしながら完成させた。紅茶の味もしっかりと出ており、スタッフからも好評。自信のある一品となったのでぜひ食べてみてほしい」と話す。
「鵜方紅茶」は志摩市阿児町の鵜方地区で生産されていた。全国的な品評会でも金賞を受賞するなどしていたが、生産者の高齢化や格安輸入紅茶の普及などに押されて次第に生産者が減少。2017年から同JAが産地復活に向けた取り組みを始めている。
■「鵜方紅茶の生白トリュフチョコレート」を持つスタッフ
伊勢の蓮台寺柿/初選果に向け生育を確認/JA伊勢蓮台寺柿部会
2022-09-16
JA伊勢蓮台寺柿部会は12日、伊勢市藤里町で伊勢市の天然記念物である蓮台寺柿の園地巡回を行った。
当日は5ヶ所の園地を巡回。生育状況や病害虫の被害状況、カラーチャートを使った色の付き具合を確認した。
巡回後には、三重県中央農業改良普及センターの担当者から「夜温が上がっている影響もあり、例年と比較すると着色がやや遅れているが、生落下理が少ないため、着果量はやや多い。収穫までに園地の湿度管理を徹底してほしい」と話があった。
蓮台寺柿は、伊勢神宮のおひざもとである伊勢市勢田町で約350年前から栽培され、市の天然記念物にも認定されている歴史のある柿。「みえの伝統果実」や、県内の個性的でビジネス価値のある農林水産資源として「三重のバイオトレジャー」に選ばれるなど、市場や消費者からの評判は高い。
蓮台寺柿は渋抜きをして出荷するために軟化が早いため、これまで他地域に出回ることはなかったが、一度にまとまった量を出荷するのではなく、店頭販売した数量分を出荷していくことで県外での販売が可能になった。
同部会では、約17ヘクタールの面積で40名の生産者が蓮台寺柿を栽培している。
21日には出荷に向けた目ぞろえ会を行い、部会員らが選果の規格を確認する。初選果は23日を予定している。
トメ
写真=カラーチャートを使って色の付き具合を確認する生産者(伊勢市藤里町で)
JA伊勢三重南紀地区/超極早生ミカン「みえの一番星」出荷スタート
2022-09-14
JA伊勢三重南紀地区管内の2022年産「三重南紀みかん」の出荷が14日から始まった。トップバッターを切るのは超極早生温州ミカンの「味一号(品種=みえ紀南1号)」で、15日に初売りを迎える。
「みえ紀南一号」は、同地区の主力品種である極早生「崎久保早生」と「サマーフレッシュ」の交配種で、露地栽培の温州ミカンのトップを切って9月上旬から収穫できる。
今年産は近年になく短い梅雨となり、8月の降雨量も少なかったことから肥大の遅れが懸念されたが、摘果作業やかん水作業などの生産者による栽培努力やマルチ栽培での水分コントロールなどで高品質な内容に仕上がった。糖度10度以上、酸1.1以下の基準をクリアしたものは三重ブランド「みえの一番星」として出荷する。
御浜町にある統一選果場では、同JAの作業員による目視と、糖酸及び腐敗果センサーによる選果が始まり、出荷作業に追われている。超極早生は9月下旬まで販売する。その後は極早生品種に切り替わり、10月下旬までに合わせて約3,250トンの出荷を計画している。
同JAの和田慎一郎営農柑橘グループ長は「生産者の栽培努力で、甘みと酸味のバランスの良い味に仕上がっている。多くの方に旬の味をお届けしたい」と話した。
トメ
P=丁寧に「味一号」を確認する作業員
神様に捧げる/神嘗祭(かんなめさい)「初穂曳き(はつほびき)」に奉納
2022-08-30
伊勢神宮奉仕会青年部とJA伊勢は共催で、28日に伊勢市の中居弘和さん(85)が管理する水田3.6㌃で、神宮の神嘗祭(かんなめさい)に奉納する米「コシヒカリ」の稲刈りを行った。同取り組みは今年度で32年目。伊勢神宮の関係者のほか、市内のガールスカウトなどの児童と保護者ら合わせて84名が参加した。
伊勢神宮奉仕会青年部は、20年に一度の神宮式年遷宮に伴う民俗行事「お木曳き行事」「お白石持行事」の伝統継承を目的に活動しているが、その一環として昭和56年から、神宮の「神嘗祭」に初穂を奉納する「初穂曳き(はつほびき)」を毎年行っている。
今回の稲刈りは、地域の子どもたちに郷土や自然の恵み、食のありがたさを学んでもらおうと、同会青年部が参加を呼びかけたもの。稲刈りの方法については、同JAが指導した。同JAが指導にあたるのは今年度で10年目。同JA担当者は「地域の伝統継承に協力できて誇りに思う。子どもたちへの農業体験学習は、当JAがすすめる食農教育においても重要なこと」と話す。
当日は、参加した児童らが鎌を使って、稲を1株ずつ丁寧に刈り取った。刈り取った稲は、同会メンバーの手によって稲束(10株一束)にまとめられた。10月に行われる神嘗祭には、そのうち300束が奉納される。参加した児童は「神様にお供えするお米を自分の手で収穫することで、お米の大切さを感じた」と話した。
トメ
写真=神宮へ奉納する米を刈り取る様子(伊勢市御薗町の水田で)
小麦栽培で緑肥試験栽培/実用化目指す/みどりの食料システム戦略視野に
2022-08-25
JA伊勢は小麦連作栽培における土の物質性の向上と次期作に向けた土づくりを目的に、担い手生産者とともに緑肥試験に取り組んでいる。
小麦栽培においては、作物が土壌に含まれる特定の養分を吸収し、土壌の養分バランスが崩れるため連作障害が発生しやすく、次期作の収量が減る傾向がある。
5月に、小麦の連作を考えている担い手生産者から緑肥作物の栽培について相談を受けた同JAは、緑肥作物のそれぞれの播種時期や特徴などを踏まえ、マメ科の「ネマックスクロタラリア」を提案。
同品種は根粒菌によって空気中の窒素を自ら肥料に変換して生育する窒素固定効果があるため、窒素肥料を多く使用する小麦栽培にとって化学肥料に代わる緑肥作物として注目されている。
このほか、担い手生産者から希望があったイネ科の「メートルソルゴー」を播種。
7月中旬頃に、それぞれ10アールずつ計20アールに、「ネマックスクロタラリア」9㎏と「メートルソルゴー」3㎏を播種し、職員が定期的に生育状況を確認している。
8月中旬現在、ネマックスクロタラリアの生育は順調で、雑草の繁茂も抑えられているが、メートルソルゴーについては湿害の影響が一部あるものの、順調に生育している。
両品種とも10月にほ場にすき込み1カ月ほど土中で熟成させた後、11月中旬に小麦を播種する予定。
同JAの担当者は「播種量や播種時期など、課題はややあるが、環境負荷低減に向けた『みどりの食料システム戦略』を視野に入れ、同JA管内での緑肥の実用化を目指したい」と話す。
今後は、同ほ場における令和5年産の栽培結果をもとに、管内で令和6年産小麦を栽培予定の担い手らに緑肥の導入を推進していく予定。
写真=緑肥作物(ネマックスクロタラリア)の生育状況を確認する職員(伊勢市楠部町で)