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農作業事故防止へ/バイタルセンシング実証試験受け入れ/(株)あぐりん伊勢

JA伊勢の子会社㈱あぐりん伊勢は8月上旬、昨年度に引き続き中部電力と三重大学が研究するバイタルセンシングの実証試験に協力した。㈱あぐりん伊勢の社員が脳波や心拍数などのバイタル、動作を測定する装置を身に着けて農作業を行い、データを取得。データを解析することで、作業負荷やストレスなどを予測し、農業事故防止につなげることが目的。
 研究は、中部電力と同大学が2022年からすすめているもので、今年で4年目となる。専用の装置を農作業者が装着し、リアルタイムで農作業中の姿勢、移動速度、目線、心拍、脳波などを読み取る。読み取ったデータは、状態推定AI(人工知能)を活用し、作業中のストレスや暑熱ストレスを感知し、農作業の予兆診断をする。
導入に向けて、同社と同大学は県内5地点でデータの収集を行う。作業時間は2時間で、夏場のさまざまな時間帯で検証する。
実証試験の当日は、㈱あぐりん伊勢の社員2名が草刈りやトラクターの操縦を行い、作業前後の心拍数や脳波、呼吸などの変化を調べるとともに、作業中もリアルタイムで細かなデータを計測した。
今回の試験では、脳波の測定装置を改良。また、昨年は脳波のみを測定をしたトラクターの操縦でも、バイタルデータを取得した。傾斜地の走行や複雑なハンドル操作時の脳波を計測することで、心理的負荷を評価し行動因子を分析する。
試験をすすめる三重大学の内藤啓貴助教(37)は「システムを構築し、農作業中の熱中症や事故をなくしていきたい。また、農作業によるポジティブな心身のデータも収集・発信していくことで食や農業に貢献していけたら」と話す。
 
 
写真=農作業を行う社員のデータを測定する内藤助教㊨と学生㊥(4日、伊勢市小俣町のほ場にて)